絵本読み聞かせのメリット(2)

子どもにとって絵本は、初めて触れる物語であり、この後の子どもの人生に大きな影響を与える存在です。何となく絵本の読み聞かせは教育に良い、と感じているママやパパは多いと思いますが、それは根拠のあることなのでしょうか。こちらでは絵本の読み聞かせによるメリットをその根拠と共に紹介していきます。

 

 

■絵本のメリット4

「学力向上のきっかけになる」

2009年文部科学省が静岡大学に委託して行った調査研究では、児童生徒の読書活動は教科の学力に影響を及ぼすことが確認されました。特に読書が好きな児童ほど学力が高いという傾向が強いということがわかっています。つまり幼児期の絵本読み聞かせにより読書が好きになった子どもは、その後就学したときに教科書を読むことへの抵抗が少なく、学習に対し意欲的に取り組めるということです。絵本の読み聞かせ自体が直接学習能力を引き上げるのではなく、あくまでも土台を築くことができる、ということです。絵本の体験がない子どもがいきなり教科書を読むと「本は楽しくないもの」とインプットされてしまいますが、絵本に慣れている子どもは「本は楽しいもの」という良い先入観を持つことができるのです。

 

■絵本のメリット5

「想像力を養う」

絵本の読み聞かせは創造力を豊かにする

絵本には簡単な絵と簡単な文章が用いられていて、読み手の想像次第で様々なストーリーを展開することができます。沢山の情報を映像に乗せるようなテレビの幼児向け番組と違い、自分で考えて場面を想像するので一枚の絵から自由に想像する能力を養うことができるのです。

 

 

■読み聞かせをやめる時期は

子どもが求めてくるうちは、読み聞かせをやめる必要はありませんし、一人で読めるようになっても是非機会をみて読み聞かせを続けてあげてください。目から入る本の情報と耳から入る情報は異なるもので、脳への刺激も違ってきます。耳からの方が、想像する余裕が生まれ、より創造力を育むことができるとされています。東北大学の川島隆太教授は「絵本読み聞かせで前頭前野は刺激されないので、早めに読書に移行すべきだ」と主張しています。しかし読み聞かせがダメなのではなく、読み聞かせをすることも自分で読書することも両方に違ったメリットがあり刺激する脳の領域が異なるのです。読書は前頭前野を刺激して思考や言語能力を高め、読み聞かせは大脳辺縁系を刺激して情緒豊かにします。子どもが絵本を読んでほしいと言ってきたら喜んで読んであげてください。

 

 

■最後に

国際学力テストのTIMSSとPIRLSを元に2011年に行われた分析では、読解力が国語以外にも数学や理科のスコアに影響を与えることがわかりました。これは数学や理科で必要な論理的思考の基礎が、読解力に代表される国語力であるためです。絵本の読み聞かせで本が好きになり、本を読むことで国語力が備わり、その国語力を利用して理数系も得意になる、つまり幼児期の絵本読み聞かせはその後10~20年で学ぶすべての学習に大きな影響を与えていくのです。

 

 

絵本は子どもの学習能力を高め親子のコミュニケーションも豊かにすることを紹介してきました。幼稚園頃から早めに読書に移ろうとする親御さんもたくさんいらっしゃると思います。しかしあまり周りと比較して焦り過ぎず、まずはお子様に本を好きになってもらってください。好きこそ物の上手なれ、です。子どもには勉強を頑張ってほしいと思うのであれば尚更絵本の時期を長くとってあげてください。感情豊かで人の気持ちがわかる、それでいて学びを喜びと感じられるような子どもになるかは絵本がカギを握っています。